「情報Ⅰが必修って聞くけど、何から始めればいいんだろう?」——そんな不安を、制度の要点・入試の出題範囲・言語選び・学習ロードマップ・おすすめ教材・資格まで一気に解消します。
授業だけで終わらせない“活かし方”まで、今日からの一歩を具体化します。 (文部科学省+1)
1. 今さら聞けない「情報Ⅰ」とは
1-1. 必修化の背景とゴール
高校では2022年度から「情報Ⅰ」が必修になりました。
全員が、プログラミング・ネットワーク・データ活用の基礎を学びます。
狙いは「問題を見つけ、手順を考え、データやプログラムで解決する力」を育てる事です。
難しい公式よりも、正しく考えて確かめる姿勢を大切にします。
詳しい内容は文部科学省の特設ページや学習指導要領の解説にまとまっています。(文部科学省)
1-2. 「情報Ⅱ」との違い
情報Ⅰ=全員が学ぶ基礎。情報Ⅱ=選択して深く学ぶ発展です。
情報Ⅱでは、データサイエンスやより大きなシステム設計など、踏み込み方がぐっと深くなります。
まずは情報Ⅰで土台を作り、興味が出たら情報Ⅱや課外活動で広げる流れが王道です。
カリキュラムの考え方は学習指導要領の解説でも示されています。(文部科学省)
2. 共通テスト「情報Ⅰ」で何が問われる?
2-1. 2025年からの出題範囲と構成
共通テスト「情報Ⅰ」は2025年(令和7年)から実施され、公式サイトで本試験の問題と正解が公開されています。
まずは本物の問題に目を通し、「どんな読み取り」「どんな手順づくり」が求められるかを確認しましょう。(デジタルネットワーク大学)
2-2. 初年度の傾向と学び方の軸
初年度は、与えられた条件を整理して、筋道を立てて考える力がカギでした。
学び方はシンプルでOKです。(1)公式問題を紙で解く(2)まちがえた理由をノートに言葉で書く(3)似た問題ですぐ再挑戦。
予備校の分析も合わせて読み、時間配分の感覚をつかみましょう。
実施日(2025年1月18・19日)や全体像も参考にできます。(デジタルネットワーク大学)
3. 高校での学び方:授業・部活・選択肢
3-1. 授業で触れるプログラミング内容
授業では変数・分岐・くり返し・配列などの基本から、ネットワークや情報デザイン、データの扱いまで横断的に学びます。
大事なのは「なにを作る?→どう作る?→本当に動く?」を言葉にしながら進めることです。
学ぶテーマや到達目標は、文科省の資料に整理されています。(文部科学省)
3-2. 部活動・コンテストの活用法
部活や大会は成長の回数を増やしてくれます。
たとえば、**日本情報オリンピック(JOI)や、会津大学が主催する「パソコン甲子園」**などです。
締切や発表の場があると、設計→実装→見直しの力が一気に伸びます。
学校の文化祭やSNSでの公開も立派な発表です。(日本情報オリンピック)
3-3. 高専・通信制という進路オプション
高専は実習が多く、低学年からプログラミングを積み、実社会に近いテーマで学べます(全国の高専は「モデルコアカリキュラム」を整備)。
通信制やサポート校でも、ITに力を入れるコースが増えています。
自分の時間の使い方や、やりたい分野に合わせて選びましょう。(国立高等専門学校機構)
4. 目的別:高校生にお勧めの言語
4-1. 入試/基礎重視ならPython
Pythonは文法が易しく、データ処理やグラフ化まで短いコードで体験出来ます。
共通テストの考え方(手順づくり・検証)にもつながりやすい言語です。
まずは公式チュートリアルで、条件分岐・くり返し・関数を一通り触ってみましょう。(Python documentation)
4-2. 見える成果が早いWeb(HTML/CSS/JavaScript)
Webは作ってすぐ目で確かめられるのが強みです。
自己紹介サイト→フォーム→簡単な動き…と段階を踏むと、達成感が積み重なります。
学ぶ順番や用語は**MDN(Mozillaの公式ドキュメント)**が分かり易く整っています。(MDN Web Docs)
4-3. 競技で鍛えるならC++
アルゴリズムや計算量をしっかり鍛えたい人はC++が定番です。
AtCoderのAPG4bやBeginners Selectionは、はじめの一歩にぴったりです。
問題→提出→解説のサイクルで、読む力と書く力が同時に伸びます。(AtCoder)
5. ロードマップ:0→1→公開まで
5-1. まずは基礎体力(2〜4週)
目標は**「小さく作って、必ず動かす」です。
毎日15〜30分、短くてもOKです。
(1)入力→処理→出力の形を意識(2)まちがえたら原因を言葉でメモ**(3)1ページの作品を公開(GitHub Pagesなど)。
この期間で、「手順を組み立てるクセ」をつけます。(授業の基礎的な到達目標は学習指導要領の解説にも示されています。)(文部科学省)
5-2. 90日で作品公開(3〜6か月)
テーマは生活に近いものが成功しやすいです(例:時間割整えアプリ、出欠カウンタ、文化祭の来場集計)。
2〜3週間の短いサイクルで「設計→最小版(MVP)→友だちに使ってもらう→直す」を3回転します。
文化祭・SNS・コンテストで発表の場を用意すると、完成度が一気に上がります。
高校生でも挑戦できる大会(JOI/パソコン甲子園など)もあります。(日本情報オリンピック)
5-3. 1年で入試・資格・大会へ
1年スパンでは(1)共通テスト形式の演習(2)資格(ITパスポート→基本情報処理技術者)(3)大会や作品公開、の三本立てにします。
ITパスポートはCBT方式で通年実施されます。
基本情報処理技術者もCBTで受験でき、学んだことの“見える化”になります。
最新の案内や注意点は必ず公式の情報で確認しましょう。(JITEK)
6. 教材・本・サービス・検定
6-1. 無料/低価格のオンライン教材
まずは公式や信頼できる資料から学びましょう。
WebはMDN、Pythonは公式チュートリアルが安心です。
動画や学習サイトを使うときも、「学ぶ→まねる→少し変える」の順で必ず手を動かすと定着します。(MDN Web Docs)
6-2. 本の選び方(入門書)
1冊を最後までやり切ることが大事です。
例や練習が多い本を選び、各章の終わりでミニ作品を1つ出すと、力がぐっと伸びます。(具体的な書名は学校や先生の指定に合わせると安全です。)
6-3. ITパスポート/基本情報処理技術者の活用
ITパスポートは広い基礎(ストラテジ・マネジメント・テクノロジ)を確認する入門資格です。
基本情報処理技術者はアルゴリズムや開発プロセスまで踏み込みます。
どちらもCBTで随時受けられますので、部活や授業と両立しやすいのがメリットです。(JITEK)
7. よくある悩みQ&A
7-1. 数学が苦手でも大丈夫?
大丈夫です。最初は具体例→ルールにする→確かめるの順番でOKです。
計算はツールで補えます。
大切なのは考え方と丁寧な検証です。
7-2. 部活と勉強は両立出来る?
短時間でも毎日が最強です。
15分でも「昨日の続き」をやると前進します。
週末に発表の準備を入れると、完成度が上がります。
7-3. PCや環境は何を用意する?
ネットにつながるPCとブラウザ、無料エディタ(例:VS Codeなど)があれば十分です。
作品はREADMEに目的と使い方を書き、友達に試してもらいましょう。
8. 将来と進路:大学・高専・キャリアの見え方
8-1. 道の選び方
大学(情報系/他分野×情報)、高専(実装重視)、**通信制(時間の自由度)**など、道はひとつではありません。
どの道でも、小さく作って公開→意見をもらう→直すを続ける人が強いです。
高専やIT系コースの整備状況は公的・公式情報も参考にしましょう。(国立高等専門学校機構)
まとめ
- 高校の“情報Ⅰ”は土台づくり
2022年度から必修です。全員がプログラミング・ネットワーク・データの基礎を学ぶ科目です。目的は「問題を見つけ、手順を考え、確かめて直す力」をつけること。授業のねらいと範囲は文科省が示しています。 (文部科学省) - 入試でも出るから、基礎+読解がカギ
共通テストで「情報Ⅰ」が実施され、公式に本試験の問題と正解が公開されています。まずは本物の問題で“どんな読み方・考え方が必要か”をつかみましょう。 (デジタルネットワーク大学) - 学び方は「小さく作る→試す→直す」
毎日15〜30分でもOKです。入力→処理→出力を意識し、うまくいかなければ原因をメモします。出来れば友達や先生に見せて、意見をもらい、直します。この回数が力になります。 - 目的別に言語を選ぶと迷わない
入試や基礎重視はPython、見える成果を早く出すならHTML/CSS/JS、競技や計算の速さを鍛えるならC++。どれも「手を動かす→少し変える→説明する」をセットに。 - 90日で1作品を公開
学校生活に役立つ小さなテーマ(時間割整理、出欠カウンタなど)を選び、2〜3週サイクルで設計→最小版→テスト→改善を3回します。文化祭やSNSで発表すると完成度が一気に上がります。 - 1年計画:入試・資格・大会の“三本立て”
共通テストの形式演習に加えて、ITパスポート→基本情報処理技術者と段階的に受験すると“学びの見える化”になります。どちらもCBT方式で随時受けやすいのが利点です(最新案内は公式を確認)。 (IPA) - 最後に:今日の15分が未来を変える
完璧主義より「まず作る」です。小さく公開→意見→直すの循環を続ければ、入試でも進路でも“語れる実力”になります。焦らず、でも止まらず、コツコツいきましょう。
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